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歴史

江戸の人々に愛好された印伝

「腰に下げたる、印伝の巾着を出だし、見せる」。
弥次喜多の珍道中として知られる十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』にも記されているように、印伝は粋を愛する江戸の人々に広く愛好されていました。

由来

印伝、その名の由来は印度(インド)

南蛮貿易が盛んな17世紀、東インド会社より輸入されたインド産の装飾革に『応帝亜(インデヤ)革』と呼ばれた革があり、印度伝来を略して印伝となったと伝えられています。

甲州買物独案内(1854年刊)

甲州印伝のはじまり

鹿革と漆、甲州印伝のはじまり

江戸時代に入ると、遠祖上原勇七(現十三代)が鹿革に漆付けする独自の技法を創案、ここに甲州印伝がはじまったといわれています。この技法により作られた巾着、莨入れ、早道などは、当時の上層階級にたいへん珍重されました。

巾着(きんちゃく)
早道(はやみち)
莨入れ(たばこいれ)

家伝の秘法

家伝の秘法を今に伝える印傳屋

江戸後期に数軒あったといわれる印伝細工所のうち、時の流れのなかで、印傳屋だけが唯一残りました。その理由は、「技」の継承を代々の家長「勇七」のみに口伝されたことによります。家伝の秘法は、現在では印伝技法の普及のため、広く公開されています。

印傳屋旧店舗(明治5年頃の建築)

進化する伝統

伝承から進化へ

1987年、甲州印伝は経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定。印伝の伝統技は、生活を彩る実用美として、稀少な日本の革工芸の文化を伝える担い手となっています。

燦燦 (燻べに金箔模様 ※日本現代工芸美術展出展作品)