日本人の暮らしに深く馴染んできた漆と鹿革
漆の語源は「潤う」「麗し」といわれ、 時がたつほど色艶が冴え、光沢に深みが増します。 西洋ではジャパン( japan )と呼ばれるように 日本の美を象徴する素材で、 古来よりさまざまな工芸に用いられました。 漆のもつ接着力、膜面の強さ、防水性、 そして独特の光沢は、実用と装飾を兼ね備えた素材として 遠祖・上原勇七が印伝づくりに取り入れました。
古より武具や被服、袋物に活かされてきた鹿革。 柔らかな感触は人肌に最も近いとされ、 軽く丈夫で加工や装飾がしやすいことから、 人々はその特性を活かし、さまざまな工芸に用いていました。 使い込むほど手になじむ感触は天然素材ならでは。 野生である鹿革には角ズレなどによるキズが多数あり、 それも自然の模様として活かされます。