印伝

Life with INDENstory vol.1

坂野 由美子Yumiko Sakano山梨県山梨市在住
S PLUS ONE
一級建築士事務所代表

山梨県山梨市在住
S PLUS ONE
一級建築士事務所代表

山梨県山梨市在住
S PLUS ONE
一級建築士事務所代表

山梨は五感で四季を 感じられる場所。

「匂いや風景で季節を感じとれる山梨は、私が心豊かでいられる場所」とほほ笑む坂野由美子さん。6年前に東京から戻り、再び故郷で暮らし始めた彼女の心に芽生えたのは"自然素材の家をつくりたい"という強い想い。「山梨にはコンクリートのシンプルな家は似合わない…そう感じたとき、年を重ねるごとに味が出るような地域になじむ家をつくりたいと思うようになりました」

山梨らしい家や 作品を発信していく。

そんな坂野さんお気に入りの場所が、明治期の文明開化を匂わせる洋風建築の旧田中銀行博物館。時間がゆったりと流れるような昔なつかしい空間に、「山梨独特の藤村様式がきちんと修復され、大切に保存されています。建築的にとてもおもしろい場所」とちょっと興奮ぎみ。故郷で受け継がれる伝統的な建築物は、彼女の価値観や方向性に大きな変化をもたらしたようで、山梨で育ったスギやヒノキを使った本棚や枡、ワインラックの開発にもたどり着きました。「この地域の文化や特産品を大切に、独自のアイディアをプラスして、山梨らしい家や作品をつくりたい」

刺激を与えあえる 心強い仲間の存在。

忙しくも充実した日々を送る坂野さんがなにより大切にしているのは、友人たちとの語らいの時間。ふと仕事の手を休めて向かったのは、観光ぶどう園の百果苑。5代目萩原慎介さんとの何気ない会話や朝採りのフレッシュなデラウェアに、思わず笑みがこぼれます。マルサン葡萄酒の若尾亮さんも地域活性化に尽力する頼もしい存在。木もれ日が輝くぶどう棚の下で、ワイングラス片手に夢を語りあうことも。「ジャンルをこえてお互いに協力し合えるのも人とのつながりが濃密な地域だからこそ。山梨らしい活動ができるこの場所に戻ってきてよかった」

印伝は愛着を感じる 身近な存在。

「家族が使い続けていたり、譲り受けたり、特別なものという感覚はなく、印伝は昔からすぐ身近にある存在でした」と、愛用の名刺入れと印鑑ケースを見つめる坂野さん。手にしっくりとなじむような自然素材の風合いと使い心地に惹かれているそう。「デザインのバリエーションが豊富なのも魅力。伝統を受け継ぎ、天然の素材で長く使い続けられるという点では、建築の世界と通じるものがありますね」

坂野 由美子Yumiko Sakano

1979年山梨県山梨市生まれ。関東学院大学工学部建築学科卒。 都内の建築設計事務所に勤めた後、2009年にS PLUS ONE 一級建築士事務所を設立、翌年に山梨に戻り、甲州市勝沼町の旧甲州街道沿いにオフィスを構える。建築設計をはじめ、店舗の内装や家具、プロダクトのデザイン、イベントの企画、コンサルティング業務などに携わる。

S PLUS ONE architects
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