印傳屋がアスプレイ(Asprey)のクリエーション・コラボレーション・パートナーに指名されました
天正十年(1582 年)の創業以来、鹿革に漆で模様を描く伝統工芸・甲州印伝を製造販売する株式会社印傳屋上原勇七は、1781年創業の英国王室御用達ラグジュアリーブランド、アスプレイのクリエーション・コラボレーション・パートナーに日本企業で初めて指名されました。日英老舗ブランドの協業により、「印傳屋× アスプレイ コレクション作品」が遂に完成。2017年9月29日(金)、日本初のお披露目となる発表会を開催しました。
アスプレイ
クロスハッチ・ハンドバッグ コレクション
(左/大・小):167 ハンドバッグ ブラック・オン・ブラック クロスハッチ
(右):1781 ポシェット ブラック・オン・ブルーベリー クロスハッチ
「167」はアスプレイの旗艦店があるロンドンの ニュー ボンド ストリートのアドレス(167 New Bond Street, London)、「1781」は創業年にちなんでいます。
アスプレイは1781年に創業、英国王室御用達として名声を確立してきた老舗ブランドです。本プロジェクトは、世界中の卓越した素材や技術といったプロダクトソースを探求し続けるアスプレイが、伝統を革新し続ける印傳屋のものづくりの姿勢に共鳴し、2016 年にクリエーション・コラボレーションがスタート。企画・開発から製造まで1年をかけて実現したものです。
「印傳屋×アスプレイ コレクション作品」は、甲州印伝の伝統技法である鹿革と漆で、アスプレイの代表的な模様クロスハッチ(Crosshatch) を表現しています。クロスハッチとは、アスプレイのパッケージにも採用されているブランドを象徴する模様であり、イギリス産業革命時のデザインであるエンジンターニング(回転するエンジンという意味)をモチーフとしています。
発表会の直前には、アスプレイ ジャパン株式会社 代表取締役社長 中村之夫氏と、印傳屋 代表取締役社長 上原重樹による今回のコラボレーションにまつわる対談が行われました。
アスプレイは1781年創業、印傳屋は1582年創業、お互いが培ってきた長き年月が凝縮された協業にかける想いに迫ります。
− 今回は印傳屋が持つ最高品質の鹿革にアスプレイの伝統柄であるクロスハッチを漆付し、非常に贅沢なハンドバッグとポシェットが完成しました。改めて、コラボレーションの経緯についてお聞かせください。
中村社長:アスプレイのバッグは基本的に定番スタイルに対して、素材や色などの乗せ換えをよくやっています。アスプレイはもともと「Exotic leather」と称して、主にクロコダイル、アリゲーターといった素材使いのハンドバッグを作るメーカーでもありましたので、今回はそういった商品の発展形として、私たちのクオリティに見合う新しい素材はないかと世界中から探した結果、まさに印傳屋の技術と出会いました。
上原(重):漆付する柄としてアスプレイの伝統的なクロスハッチをご提案いただきましたが、当然これは私たちがこれまでに扱ったことのない柄でした。職人たちは試行錯誤しながら、漆の光沢で立体感を出すことに重点を置き、アスプレイから求められる品質をクリアしてくれたことを誇らしく思います。そういう意味では、職人たちにも今回のコラボレーションは大変刺激的な機会となりましたし、発表の日を迎えられたことを非常に嬉しく思っています。
− アスプレイと印傳屋、それぞれの共感ポイントはどんな部分に感じていますか。
中村社長:アスプレイは1781年創業ですので、4世紀を超えて存在しているブランドです。一方、印傳屋は1582年創業ということで、歴史において大先輩です。二つ足せば700年超の年数、今回のコラボレーションはお互いが歩んできた長き年月の結晶だと思いますので、そういった価値は代え難いものであり、非常に誇らしいですね。
上原(重):たしかに年数としては私たちの方が長いですが、アスプレイは英国を超えて多くの方々に支持されている世界的なラグジュアリーブランドということで、やはり学ぶべき点が多かったです。伝統を守りつつ長く商売していくために、企業のスピリットを継承していきながら、新しさを取り入れていくことが重要なのだなと再確認しました。
− 伝統産業や歴史のあるラグジュアリーブランドには、よく「伝統と革新」というキーワードが用いられることがありますが、伝統を受け継ぎながらも新しいものを作り、また新たな伝統を作っていく。この姿勢について、それぞれの意見をお聞かせください。
中村社長:革新は目的ではありません。伝統を続けていくためにはその時のお客様から支持を獲得する必要があります。そういう意味では、私たちは古いものにはこだわりません。それが攻めの姿勢に繋がるということを心がけているのがアスプレイです。
上原(重):たしかに、我々のような伝統産業には伝統と革新という言葉がよく用いられます。ですが、それは意識して革新するというよりも自然な営みといいますか。どちらかというと、企業として生き延びるために必要なこととして自然な流れからやってきたことだと思います。時代ごとにどう生きていくのか。その一つひとつの経営判断が、結果的に革新に繋がっているのだと感じます。
− 印傳屋の開発を担当した上原専務にお聞きします。今回のコラボレーションで、もっとも印象に残った事をお聞かせください。
上原(伊):印傳屋といえば「鹿革に漆」と言われ、私たちは袋ものを中心に商品を作っていますが、今回のアスプレイとのコラボレーションでは、印傳本来の軽さ・柔らかさを追求したと同時に、弊社にはない重厚感とエレガンスを感じる商品に仕上がりました。アスプレイは縫製技術、パーツといったディテールも素晴らしく、唯一無二のスタイルを感じています。
印傳屋としては、ブランドとしての生き方をアスプレイから学びました。世界的なブランドとして、商品を販売するだけでなく、情報発信の仕方をはじめ、ポリシーを掲げながらさまざまなブランドクオリティを高めようとしている。これはまさに私たちに必要な要素だと感じています。
− では、最後に今回のハンドバッグとポシェットをどのように使っていただきたいと考えているのでしょうか。
中村社長:ハンドバッグとポシェットというアイテムの性格上、女性が日常で輝く瞬間にこそ、お持ちいただきたいという想いがあります。輝く時間というものは人それぞれですから、私たちが精魂込めて作ったバッグを大切にしていただけると嬉しいです。アスプレイには、どの商品をお求めいただいても30年は使っていただけるというポリシーがあります。修理しながら愛着をもって使い続けていただきたい。そういった基本理念を持ちながらものづくりに取り組んでいますので、アスプレイらしさと印傳らしさを訴えられたらと思います。
<商品情報>
167 ハンドバッグ ブラック・オン・ブラック クロスハッチ(大)
167 ハンドバッグ ブラック・オン・ブラック クロスハッチ(小)
- 黒のレザーに黒の漆のクロスハッチ
- アスプレイのシグネチャーである167*ロック留め
- 調整可能なショルダー・ストラップ付き
- レザーのタッセル付き
- ボトムに足4本
- クロコダイルのジップ付きパース、ミラー付き
- 内側にジップ付ポケットとスリップポケット
- 型崩れ防止用のキッド・スエードのクッション入り
1781 ポシェット ブラック・オン・ブルーベリー クロスハッチ
- 黒とブルーベリーカラーのレザーに黒漆のクロスハッチ
- アスプレイのシグネチャーである1781* クラスプ(パラディウム・メッキ)
- 調整可能なショルダー・ストラップ付き
- 内側はラムスキン、ジップ付きコインポケット、ジップ付きポケット
- クレジットカード8枚収納、携帯電話用スペース付き
- クロコダイルのジップ付きパース、ミラー付き
*「167」はアスプレイの旗艦店があるロンドンのニューボンド・ストリートの番地(167 New Bond Street, London)、「1781」は創業年にちなんでいる
商品に関する問い合わせ
アスプレイジャパン TEL 03-3281-0066
サンモトヤマ銀座本店 TEL 03-3573-0003
*「アスプレイ クロスハッチ ハンドバッグコレクション」は、2017年11月にアスプレイの店舗(東京都・銀座、大阪府・梅田)にてお披露目されます。印傳屋店舗での取り扱いはいたしておりません。
アスプレイについて
アスプレイは、1781年に英国・サリー州ミッチャムで創業し(現在はロンドン、ニューボンド・ストリート)、英国王御用達として名声を確立してきた老舗ブランドです。ジュエリー、時計、シルバー、レザー、チャイナ、クリスタル、ホームコレクション、フレグランス、トラベル、レザーグッズ、ポロ用品、アクセサリーなど取扱いアイテムは幅広く、特別なオーダー等のご要望にもお応えするラグジュアリーブランドです。
1997年に大ヒットした映画「タイタニック」で、ヒロインが婚約者から貰ったブルーダイヤモンドのネックレス『ハート・オブ・オーシャン』の制作や世界的なスポーツイベント、ウィンブルドン選手権、FAカップ、ダービーステークスなどのトロフィーやメダルの制作でも知られています。
アスプレイ ジャパン株式会社
東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町イトシア12F
代表取締役社長 中村之夫
アスプレイウェブサイト:http://asprey.com