色を織りなす伝統の多色技法 「更紗」
色を織りなす和と洋の出会い
「更紗(さらさ)」はインド・ジャワ・タイ・ペルシャなどから、南蛮貿易によってもたらされた模様染のこと。印伝の更紗は、その模様染をもとに考案された技法です。染色された鹿革に、一色ごとに型紙を変えて、色を重ねていくことで、鮮やかな色彩の調和を生みだします。均等に色をのせるには、熟練の職人による高度な技術と手間を要します。また、燻(ふすべ)技法を施した革に模様を重ねたり、仕上げに漆付技法を取り入れるなど、印伝の他の技法と併せて使われてきました。
印傳屋が代々伝承し続ける更紗の技
更紗の歴史と印伝
更紗の語源の由来は、西インドの地名に因んでいると言われていますが、諸説があって定かにはなっていません。日本には、16世紀〜17世紀頃に南蛮貿易によってもたらされました。手書きや型染めにより物語・人物・鳥獣・草花などが、異国情趣あふれる華やかな色使いで描かれ、大名・茶人・富裕層などに珍重されました。
江戸時代に入ると京都・堺・長崎・鍋島などで「和更紗」が作られるようになり、国内の染織に大きな影響を与えています。
印伝の更紗技法はこれらの「更紗染」と、同じ時期に伝わったインド産の装飾革(染革)「応帝亜(インデア)革」に由来し、その後、型紙染めの更紗が、甲州印伝の技法として普及し、華やかな模様の数々が創案され現在まで伝わっています。
歴史を今に伝える更紗の商品
印傳屋では、「更紗技法」を守り伝えていくために、「巴(ともえ)」「青海波(せいがいは)」「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」の3つの伝統的な更紗模様を製作しています。
更紗「巴」
武士の弓手に巻く皮具-鞆(とも)の側面から見た形を模した説、水が渦巻くさまを模した説などがあります。また、古代の宝器である勾玉が巴形なことから、神霊のシンボルに移転したことも、この紋様が広がった要因のようです。杉綾文様に牡丹と共に描かれています。
更紗「青海波」
遠くササン朝ペルシャ(226~651)様式の文様が中国西域を経て我が国に到来しました。平安時代の舞楽「青波海」(せいがいは)の装束文様として用いられ、内海の静かな波を表して絶え間なく広がる波の力と永続的な瑞祥の願いが込められています。
更紗「毘沙門亀甲」
三つの亀甲を二辺を接するように合わせて内側の線を除いた文様です。七福神の一神でもあり、財宝や福徳をもたらしてくれる「毘沙門天」(びしゃもんてん)の甲冑の鎖にこの文様が使われているところから毘沙門亀甲と名付けられました。
お求め・お取り寄せにつきまして
更紗は多く生産をすることができず、通常は受注販売(あつらえ品)とさせていただいておりますが、7月13日(土)より開催する印傳屋心斎橋店「更紗フェア」(終了いたしました)に併せて、現在取り扱いのあるすべての更紗商品を直営店にご用意いたしました。店頭および、印傳屋直営店「お取り寄せ受付サイト」(お取扱いを終了しています)にてお求めください。
販売期間:特別販売期間は終了しました。
※通常は、印傳屋直営店で受注販売(あつらえ品)とさせて頂いております。
(※納品時の消費税率が適用されます)。
販売方法:
直営店および、印傳屋直営店「お取り寄せ受付サイト」
※お電話でのご注文・ご予約もいただけます。
※公式オンラインショップでの取り扱いはございません。
※全国への発送承ります。(代引手数料無料・送料別途)
※商品のご使用に際しては、商品の箱に同梱されている「印傳屋の栞」をご覧ください。
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