「きょうは、十五夜です。」
想うはあなた一人
暑い夏が過ぎ
涼しい風が吹く頃に
真っ赤な花が咲き始めます。
秋のお彼岸の頃に咲く彼岸花。
田舎の風景に溶け込む赤い花は
毒が小動物を遠ざけるため
畑の守り神とされてきました。
「想うはあなた一人」
彼岸花の花言葉のひとつです。
不思議な生態の花であり
花が枯れてから葉が茂ります。
葉は花を想い、花は葉を想う。
一途な愛のような情熱の花です。
きょうは、十五夜です。
夜空の月を愛でながら
あなたのことを想っています。
今だから、伝えていきたいもの
9月21日、旧暦でいう8月15日の十五夜の月は、
一年を通じて最も美しい「中秋の名月」として、古くから親しまれています。
田んぼの稲穂が膨らみ、ちょうど収穫を迎える中秋、
まん丸いお月様に人々は五穀豊饒、子孫繁栄などの祈りや感謝の心を込めて、ススキを飾り団子やお菓子を供える。
昔も今も、変わることなく受け継がれる月見の文化は、
四季の自然とともに歩む、日本人の“こころ”の映し鏡なのかもしれません。