季節の模様、小桜と印伝の原点を感じる旅へ
同じものを見ている。むかしも、今も。
待ちわびていた花時をようやく迎えました。
「花時」とは桜が咲く頃を表すことば。
平安時代の頃から花といえば桜を意味したそうです。
“ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ”
のどかに陽が差す春の日なのに、なぜ桜の花はせわしなく散り急ぐのだろうか。
歌人・紀友則は儚げな桜を見て、そんな歌を詠みました。
もの想う心は、いつの時代も同じ。
散りゆくさまは“もののあはれ”として
潔く主君のために命をなげうつ武士の心をとらえ、
甲冑や刀などの武具や装束に桜の模様が用いられました。
美しく儚きものを愛おしむ想い。
それは現代の人々も同じように抱くことでしょう。
わずかな間に咲き誇るその美しさを、今年も心にとめておきたいものです。
この春は、どんな春ですか。
あなたのたいせつな人が新たな歩みを始めるなら、
今年の桜はどう映っているのでしょう。
はなむけの言葉をかけるあなたの想いが、その人の心に咲き続けますように。
印傳屋の「小桜」模様
甲府の人々が待ちわびた桜
印傳屋のある甲府にもさまざまな桜の名所があります。信玄公を祀る武田神社や舞鶴城公園、そして多くの花見
客で賑わうのがここ小瀬スポーツ公園です。広大な園内にはさまざまな運動施設がありますが、ここは地元の人々
の憩いの場としても愛される場所。この日ばかりは歩みをいつもよりゆっくり進められる方が多く見られました。今年の桜をみなさんはどんな想いで見つめているのでしょうか。この日は少し花曇りながらも、実に穏やかであたたかく心まで桜色に染まるような日和でした。
心に決めたこの春の想いに、ずっと寄り添う印伝を
この春、新たな道を歩む人は、どんな希望を胸に抱いているのでしょう。これから幾度春を迎えても、心に決めたこの春の想いをいつまでもたいせつにしてほしい。そんなはなむけのことばと、小桜の印伝をお贈りしてはいかがでしょうか。